降雪から電気を生み出す新デバイス、太陽光発電への統合で天候変化に対応、UCLA発表
| 政策/動向 | 再エネ | IT | モビリティ | 技術/サービス | 金融 |
2019年07月12日
一般社団法人エネルギー情報センター

雪が積もると、太陽光パネルに到達する日光の量が減り、パネルの出力が制限されます。こうした中、UCLAの研究者らは、雪が降ると電気を発生させる新しい装置を設計しました。プラスチックシートのように安価で、小さく、薄くそして柔軟なデバイスとなります。
プラスチックシートのように安価で柔軟な雪専用発電装置
世界中で急拡大する自然エネルギー市場の中で、汎用性の高さから太陽光発電の普及が飛躍的に進んでいます。ただ、太陽光発電は、比較的場所を選ばず、少ない投資からでも設置しやすい利点はあるものの、発電量が天候に強く影響される部分が今後の課題となっています。
太陽光発電の出力に影響する要素は複数ありますが、その中の一つとして「雪」があります。カリフォルニア大学の資料によると、毎冬、地球の表面の約30%は雪で覆われており、その間はソーラーパネルの機能が著しく低下することとなります。
雪が積もると、太陽光パネルに到達する日光の量が減り、パネルの出力が制限されます。こうした中、UCLAの研究者らは、雪が降ると電気を発生させる新しい装置を設計しました。
新しい装置は「snow TENG」と研究チームにより命名されました。雪が降る間において連続的な電力供給を可能とするため、ソーラーパネルに統合することで、太陽光発電の欠点を抑えることができます。研究チームは、「snow TENG」はプラスチックシートのように安価で、小さく、薄くそして柔軟だとしています。
「snow TENG」は、静電気を通して電荷を発生させる摩擦電気ジェネレータであり、電子の交換からエネルギーを生成します。雪は正に帯電しておりますが、雪がシリコンの表面に触れることで、電荷が発生し、それがデバイスによって電気に変換されます。
研究チームは、3D印刷を使用してデバイスを設計しました。デバイスには、シリコン層と電荷を捕捉するための電極があります。デバイスに関する調査報告書を執筆したRichard Kaner氏によれば、「製造の容易さとシリコンの入手可能性」を考えると、このデバイスは恐らく低コストで製造できる、としています。シリコンは、潤滑剤、電線絶縁材、生物医学的インプラントなど、幅広く使用されています。
研究助手であるMaher El-Kady氏は、「アルミホイルやテフロンを含む多数の材料をテストした結果、シリコンは他のどの材料よりも多くの電荷を生成することが判明した」としています。
Kaner氏は、「「snow TENG」はスキーなどのウィンタースポーツの監視に使用することが可能であり、ランニング、ウォーキング、ジャンプといったアスリートのパフォーマンスをより正確に評価できる」と述べています。
この続きを読むには会員登録(無料)が必要です。
無料会員になると閲覧することができる情報はこちらです
執筆者情報

一般社団法人エネルギー情報センター
EICは、①エネルギーに関する正しい情報を客観的にわかりやすく広くつたえること②ICTとエネルギーを融合させた新たなビジネスを創造すること、に関わる活動を通じて、安定したエネルギーの供給の一助になることを目的として設立された新電力ネットの運営団体。
| 企業・団体名 | 一般社団法人エネルギー情報センター |
|---|---|
| 所在地 | 東京都新宿区新宿2丁目9−22 多摩川新宿ビル3F |
| 電話番号 | 03-6411-0859 |
| 会社HP | http://eic-jp.org/ |
| サービス・メディア等 | https://www.facebook.com/eicjp
https://twitter.com/EICNET |
関連する記事はこちら
一般社団法人エネルギー情報センター
2022年02月02日
フィルム型次世代太陽電池の発電効率が、既存太陽電池と同等の15%を実現!実用化に向けた動向とエネルギーハーベスティングの可能性
昨年末、NEDOが次世代型太陽電池の実用化に向けて6件のプロジェクトを採択したことを発表しました。そこで今回は、次世代型太陽電池の最新事例と、その技術を応用した環境発電(エネルギーハーベスティング)の可能性について考えていきます。
一般社団法人エネルギー情報センター
2021年11月30日
ビジネス分野への活用が目の前に迫る量子技術。エネルギー業界への影響とは?
2021年に入り、IBM、Google、アマゾンなどによる量子コンピューターの商用化の動きが加速してきました。そこで今回は、量子技術とは何か、ビジネス活用事例、そしてエネルギー業界への影響について考えます。
一般社団法人エネルギー情報センター
2021年09月17日
Amazonが国内最大規模の再生可能エネルギー電力調達契約を締結。コーポレートPPAが国内でも活発に。
企業が発電事業者との長期契約に基づき、再エネ由来の電力を直接調達する「コーポレートPPA」が世界で広がっています。これまで、アメリカの大手IT企業中心に導入が進み、再生エネ普及を後押ししてきました。2021年9月8日、その代表格であるAmazon社が日本で大規模な太陽光発電の直接契約を行いました。今回は、コーポレートPPAに注目して、世界そして国内の動向をまとめていきます。
一般社団法人エネルギー情報センター
2021年09月06日
家庭向け蓄電池市場の広がり、海外勢やサブスク型とメーカー・販売方法も多様にvol.2
2009年からはじまった余剰電力買取制度が10年を迎え、2019年には53万件、2023年までに計165万件が制度対象外になると資源エネルギー庁が公表しています。前回は、国内の蓄電池市場の状況を整理しました。今回は、家庭用蓄電池の今後について、価格、販売モデル、システムといった3つの観点から諸外国の事例や企業のサービス事例を参考にしながら考えていきます。
一般社団法人エネルギー情報センター
2021年09月06日
スマホでサンマが焼ける日ーコラムー第19回 電力・エネルギーから考える「これからの世界」
エネルギーコストゼロの世界の実現で本当にやりたい仕事、自分の資質を活かす仕事に挑戦できたり、エネルギーシェアで、新しい価値に対して人々がお金を払う時代になったりと、豊かな世界に向かっていると信じています。



















