数秒で充電が可能な3D螺旋構造の蓄電池、米コーネル大学発表
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2018年05月25日
一般社団法人エネルギー情報センター

米コーネル大学は5月、数秒でフル充電が可能な蓄電アーキテクチャを開発したと発表しました。アノード、カソード、セパレータを自己集合性の3D螺旋構造とすることで、構造をナノスケールに縮小し電力密度を大幅に高めています。
数秒でフル充電が可能な蓄電構造の技術コンセプト
スマートフォンの普及により、日常生活においても「充電する」という行動が一般的になりつつあります。二次電池の充電時間を短縮する技術が求められ、研究開発の分野においても検証が進められていますが、Cornell UniversityのUlrich Wiesner教授が率いる研究チームが、数秒でフル充電が可能な蓄電構造のコンセプトを開発しました。
通常、蓄電池の構造としてアノードとカソードが両端に配置され、非伝導性のセパレータで区分けされます。しかし研究チームが開発した蓄電池は、これら(アノード、カソード、セパレータ)が自己集合性の3D螺旋構造となり、それぞれが織り込まれる形となっています(図1)。また、エネルギーの充電や供給を可能とするため、各電極には数千ものナノスケールの細孔が存在しています。

図1 陽極(灰色)、セパレータ(緑色)、陰極(青色)を有する、約20ナノメートルの大きさの3次元電池構造のレンダリング
アノードには炭素の薄膜が使用されており、数千の周期的な40ナノメートル台の細孔が存在します。ただ、この細孔はエネルギーの充電や供給を可能とする一方、スマートフォンなどの火災原因になるため、ふさぐ必要があります。そのため、研究チームは、薄膜にある細孔を10ナノメートルのセパレータで覆うことで、分離層を作り上げました。なお、このセパレータは絶縁性ですがイオンは通すことができます。
カソードには、硫黄が使用されています。硫黄は、電気を通さない一方、電子は受け入れることができる物質です。研究チームによると、カソードではセパレータの量が足りず、硫黄の細孔は全て埋めることができないとしています。そのため、残りの細孔は、導電性ポリマー(PEDOT)を使って埋められています。
Wiesner教授は、「この3Dアーキテクチャは、蓄電デバイス内の利用されていない領域の全ての損失を排除可能です。また、蓄電池の構造をナノスケールに縮小したことで電力密度を大幅に高めています。つまり、従来の蓄電池よりも、はるかに短時間でエネルギーにアクセス可能であり、充電ケーブルをソケットに入れたときには、ほんの数秒でバッテリが充電されます」と述べています。
今回の技術コンセプトは、これまで長年、螺旋構造の太陽電池セルや超伝導体などで研究グループが採用してきた技術に基づいています。同じ原則が蓄電池用の炭素材料に適用できる可能性が見いだされ、研究がスタートしました。
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