これまでの5倍の速度で充電できるリチウムイオン電池、ウォーリック大学発表

2018年03月01日

一般社団法人エネルギー情報センター

新電力ネット運営事務局

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ウォーリック大学は2月、リチウムイオン電池の新しいセンサー技術開発により、これまでの5倍の充電速度が実現することが判明したと発表しました。この新システムは、電気自動車や系統バランシングなど、高度な充電システムが必要とされる場において役割を果たすと考えられます。

蓄電池の状態を監視する新技術、安全性の計測がより正確に

ウォーリック大学の研究者は、リチウムイオン電池の内部温度と電極電位を調査する新しい手法を確立したことで、現在の5倍の速度で充電できることを発見しました。この新しい調査手法は、蓄電池の状態を正確に監視するものであり、過充電などによる正確な安全性を計測することができます。

市販のバッテリーを用いたテストは既に実施されており、蓄電池の性能を損なず計測できることが確認されています。この調査手法は、電気自動車や系統バランシングなど、高度な充電システムが必要とされる場において役割を果たすと考えられます。

蓄電時の安全性について、アノードへの過充電はリチウム電気メッキを形成し、それが樹枝状晶となり析出してしまうため、カソードの内部短絡を引き起こし、機能停止へと繋がります。また、過充電などにより電池が過熱した場合、電解液に重大な損傷を与える危険性があり、可燃性のガスが発生することで著しい圧力上昇を引き起こす可能性もあります。

これを避けるために、メーカーは最大充電率や強度、そして本体温度に関する規定を定めています。ただ、研究チームによると、電池内部の温度試験(および電極に関するデータの取得)は非常に難しく、メーカーは限られた外部機器に依存しなけばなりませんでした。ただ、こうした方法は正確な測定値を得ることができません。そのため、メーカーは確実にバッテリが損傷せず、かつ事故が起こらないようにするため、最大充電速度または強度を控えめに制限する必要がありました。

そこで、ウォーリック大学の研究チームは、リチウムイオン電池の内部温度と「電極ごとの」状態監視を可能にする新しい方法を開発してきました。この方法は、電池の動作中にその性能を損なうことなく使用することができ、市販の自動車用電池で試験されています。この方法で取得されたデータは、外部機器に依存するよりもはるかに正確であり、市販のリチウムイオン電池が、現在推奨されている最大充電レートの少なくとも5倍の速度で充電可能であることが確認されています。

今回のバッテリーセンシング技術は、小型の基準電極と、FBG(Fiber Bragg Grating)による保護層を採用しています。また、フッ化エチレンプロピレン(FEP)を繊維に塗布し、腐食性電解質から化学的保護を加えています(図1)。その結果、バッテリの主要部品すべてに直接接触しながら、バッテリ動作中に加えられた電気的、化学的および機械的ストレスに耐えることが可能となり、正確な温度等が計測できるようになります。

リチウムイオン電池の温度センサー

図1 リチウムイオン電池の温度センサー 出典:University of Warwick

この研究を率いたTazdin Amietszajew博士は、「今回の研究は、性能限界を押し上げることから明らかな利益が得られるモーターレーシングなどの分野に大きな利益をもたらす可能性があります。加えて、エネルギー貯蔵ビジネスを展開する事業者にも大きなチャンスをもたらします。

より高速な充電は電池寿命を犠牲にしますが、多くの消費者は短時間の走行が必要なときに素早く車両バッテリーを充電し、時間のある時には標準充電モードに切り替えることを歓迎します。また、充電方法に柔軟性を持たせることで、電力会社がグリッドに接続された電気自動車を使って需給バランスを取ろうとする際、経済的インセンティブを得ることができます。」と述べています。

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