宮城県で県内最大の風力発電、七十七銀行がプロジェクトファイナンス方式で56億円を融資
| 政策/動向 | 再エネ | IT | モビリティ | 技術/サービス | 金融 |
2017年08月24日
一般社団法人エネルギー情報センター

8月23日、七十七銀行は宮城県石巻市で実施される宮城県内最大規模となる風力発電事業に対して、プロジェクトファイナンス方式による融資契約を締結したと発表しました。融資契約金額は56億円、発電設備規模は合計で20.4MWとなります。
再エネ発電の資金調達について
再生可能エネルギー発電事業におけるファイナンスには、自己出資や新株発行などのエクイティファイナンスのほか、金融機関からの融資であるデットファイナンス、その他にも事業基金や補助金活用などがあり、これらを組み合わせて資金が調達されます。
この中のデットファイナンスは更にシニアとメザニンに大別されますが、シニアにおいては主に①コーポレートファイナンス、②プロジェクトファイナンスの2つがあります。企業全体の信用力に依拠したものはコーポレートファイナンスとなり、金融機関は借入人たる企業等の財務能力を含めて、総合的な観点から当該企業の信用力を審査し、融資の可否を判断します。
多くの会社は再エネ事業だけを行っているわけではないので、まずは他の事業まで含め、会社全体として借入金額がバランスシート上妥当であるか検討されます。その上で、実施する再エネ事業の事業性を加味し、融資が可能であるか検討が行われます。
一方で、企業全体の信用力ではなく、再エネ発電事業などの個別プロジェクトの事業性を評価するのがプロジェクトファイナンスです。これは、特定のプロジェクトに対する融資であって、返済原資を「プロジェクトが産み出すキャッシュフロー/収益」そして「プロジェクト資産」に限定した金融手法です。
七十七銀行、宮城県で最大の風力発電事業にプロジェクトファイナンス方式で融資
七十七銀行は、宮城県石巻市で実施される、宮城県内最大規模となる風力発電事業に対して、プロジェクトファイナンス方式による融資契約を締結したと発表しました。融資契約金額は56億円、契約締結日は2017年8月23日となります。
事業主体は「ユーラス石巻風力」社となり、石巻市に位置する籠峰山の北側尾根沿いに大型風車が建設されます。発電設備規模は合計で20.4MWとなり、3.4MWの設備が6基建設されます(図1)。なお、ユーラス石巻風力は、ユーラスエナジーホールディングス社が100%出資して宮城県石巻市内に設立した企業です。
今回の事業は、環境省が実施した「平成23年度再生可能エネルギー事業のための緊急検討委託業務」の成果に基づき計画された風力発電事業です。この計画は、東日本大震災の被災地において再生可能エネルギーの導入を加速し、地球温暖化対策に配慮した復興の実現に資することを目的としています。
今回の風力発電の商業運転開始予定は2020年1月であり、運転開始後は再生可能エネルギー固定価格買取制度を活用して、東北電力に全量売電が行われます。
今回の件だけではなく、これまでも七十七銀行は再エネへの取り組みを実施しています。例えば2013年には11.2MWの太陽光発電事業に対し、コ・アレンジャー(共同主幹事)として、プロジェクトファイナンスによるシンジケートローンを組成しています。そのほか2014年には、当時で山形県内最大のメガソーラー事業(20.6MW)に対し、アレンジャーとしてシンジケートローンを組成しています。
今回の融資に関して、七十七銀行は、今後も再生可能エネルギー事業等の様々な資金ニーズに迅速かつ柔軟に対応し、地域経済の活性化に取り組むとしています。
この続きを読むには会員登録(無料)が必要です。
無料会員になると閲覧することができる情報はこちらです
執筆者情報

一般社団法人エネルギー情報センター
EICは、①エネルギーに関する正しい情報を客観的にわかりやすく広くつたえること②ICTとエネルギーを融合させた新たなビジネスを創造すること、に関わる活動を通じて、安定したエネルギーの供給の一助になることを目的として設立された新電力ネットの運営団体。
| 企業・団体名 | 一般社団法人エネルギー情報センター |
|---|---|
| 所在地 | 東京都新宿区新宿2丁目9−22 多摩川新宿ビル3F |
| 電話番号 | 03-6411-0859 |
| 会社HP | http://eic-jp.org/ |
| サービス・メディア等 | https://www.facebook.com/eicjp
https://twitter.com/EICNET |
関連する記事はこちら
一般社団法人エネルギー情報センター
2021年12月10日
エネルギー業界で拡大する環境債の発行、洋上風力など再エネ投資に利用
世界のグリーンマネーは3,000兆円を超えているとも言われ、金融市場にも脱炭素の流れが押し寄せています。その中でも環境債の発行実績の伸びは著しい状況です。そのような中、2050年のカーボンニュートラル実現に向けて、再エネ設備投資等のために電力会社による環境債(グリーンボンド)発行が相次いでいます。今回はそれら状況について整理していきます。
一般社団法人エネルギー情報センター
2020年05月05日
国内メガバンク、3社とも新設石炭火力発電への投融資を停止、気候変動対策への対応強化
昨年の三菱UFJフィナンシャルグループの発表に続き、みずほフィナンシャルグループおよび三井住友フィナンシャルグループが新設の石炭火力へのファイナンスを原則停止する方針を公開しました。これにより、3大メガバンクが石炭火力への対応につき概ね足並みを揃えることとなりました。
一般社団法人エネルギー情報センター
2020年03月13日
債権やローンを活用した再エネ・省エネ事業に要する資金調達、環境省ガイドライン改訂
日本においては環境省が、国際資本市場協会のグリーンボンド原則との整合性に配慮しつつ、グリーンボンドガイドラインを2017年3月に策定しました。策定後約3年が経過し、その間にグリーンボンド原則の改訂や、グリーンボンド発行事例の増加に伴う実務の進展等の状況変化が生じている中、2020年3月、グリーンボンドガイドラインの改訂版が新たに策定されました。
一般社団法人エネルギー情報センター
2019年09月26日
電力先物が新規上場、初日は44枚の取引で再安は10.7円/kWh、西エリアは取引なしの結果に
東京商品取引所は9月17日に電力先物取引を開始したと発表しました。電力先物取引は、電力価格の価格変動リスクなどのリスク管理手段となるものであり、電力小売・発電側の双方にとってメリットのある仕組みであると考えられます。
一般社団法人エネルギー情報センター
2019年09月19日
横浜市がブルーカーボンをCO2クレジットとして初認証、温暖化対策に海洋資源を活用
横浜市は9月17日、海の公園の公園管理区域内に生息するアマモによるブルーカーボン(12.3t-CO2)をクレジットとして認証したと発表しました。ブルーカーボンのクレジット認証は初めての取組であり、昨今、ブルーカーボンをクレジットとして認証する環境が整ってきたことから実現しました。



















