太陽光発電から作った水素をカセットに封入、生協のネットワークで家庭や店舗に配達
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2017年08月08日
一般社団法人エネルギー情報センター

8月4日、日立製作所、丸紅、みやぎ生活協同組合および富谷市は、太陽光発電から水電解装置で水素を製造し、エネルギーとして利活用するサプライチェーン構築に向けた実証を行うと発表しました。変換された水素はカセットに貯蔵された上で、みやぎ生協の既存物流ネットワークを活用して輸送されます。
環境省、平成27年度から水素サプライチェーンの実証を進める
水素は、利用段階においてCO2を排出せず、効率的なエネルギー利用や再エネ貯蔵等に活用できるなど、地球温暖化対策として重要なエネルギーです。また、燃料電池自動車が市場投入されるなど、水素の利活用に対する注目が高まっています。こうした背景もあり、環境省においては平成27年度より、国内において低炭素な水素サプライチェーンの実証を行っています。
その環境省において、平成29年度は「地域連携・低炭素水素技術実証事業」の取り組みが進められています。この実証事業の目的は2つあり、「水素の製造から利用までに排出されるCO2を更に削減」、そして「地域での水素利用を大幅に拡大」というものです。1次公募においては2件の応募があり、1件が採択されました。
その採択された1件が、宮城県富谷市で行われる「低炭素水素サプライチェーンの構築に向けた実証」です。 日立製作所を代表事業者として、丸紅、みやぎ生活協同組合および富谷市の4者が実証を進めていきます。
水素カセットを生協のネットワークで配達
実証事業の概要としては、太陽光発電により製造した水素をカセットに貯蔵し、みやぎ生活協同組合の既存物流網を活用して輸送するものです。実施場所は、宮城県が策定した「みやぎ水素エネルギー利活用推進ビジョン」に基づき水素社会構築を推進する富谷市となります。
今回の実証では、みやぎ生協の物流センターに既に取り付けられている太陽光発電システムを利用して発電が行われます。発電した電力は水電解装置で水素に変換され、変換された水素は水素吸蔵合金カセットに貯蔵されます。
水素吸蔵合金とは、冷却や加圧すると水素を吸収し、加熱や減圧により水素を放出する合金のことです。
この水素が封入されたカセットは、みやぎ生協の既存物流ネットワークを利活用して配達品とともに利用者に輸送されます。輸送された水素吸蔵合金カセットは、純水素燃料電池に取り付けることで、電気や熱に再変換することが可能です。そのため、利用者は水素カセットをエネルギーとして活用することが可能となります(図1)。

図1 実証事業の概要 出典:日立製作所
物流ネットワークに関しては既存のものを活用するため、低炭素・低コストで水素を輸送することが可能です。また、各家庭の燃料電池に貯蔵された水素は、太陽光による発電電力が減少する夕方から夜間にかけて利用することが想定されているので、エネルギーを効率的に利活用できます。
今回の実証は、富谷市内にあるみやぎ生協組合員の家庭、みやぎ生協店舗および児童クラブに水素エネルギーの供給を行うサプライチェーンを構築するものです。さらに、実証成果は全国への展開が可能であり、民生向けの水素利用の拡大や、CO2排出削減への貢献が期待されます。
4者の役割について
日立製作所は、今回の実証の取りまとめ企業としてシステム全体を設計し、水電解装置や燃料電池などの主要機器を調達・据付するほか、需給バランスを保ちながら水素貯蔵・配送計画を行う全体運用を管理します。
丸紅は、事業化する上での経済性などの課題を抽出し、課題解決に向けた施策を提言します。
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