マンション各戸のエコキュートをIOTで制御する、削減コストはイベントなどに充当
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2017年05月29日
一般社団法人エネルギー情報センター

5月24日、大和ハウス工業とファミリーネット・ジャパンは、IoT技術を用いることで、マンション各戸のエコキュートの稼働時間を最適制御するサービスを共同開発すると発表しました。生活リズムが類似する居住世帯がグルーピングされ、グループごとのエコキュート稼働時間が分散される仕組みとなります。
IOTでエコキュートを制御、生活リズムが類似する居住世帯をグルーピング
エコキュートは自然冷媒ヒートポンプ給湯機の愛称です。夜間の割安な電気を利用して大気中の熱を取り込み、お湯を沸かすものとなります。空気の熱を利用するので、1の電力エネルギーに対して3倍ほどの熱エネルギーを得ることができます。家庭用エコキュートを世界で初めて商品化したのは日本であり、1995年から始まった電力中央研究所における基礎研究を基に、東京電力、デンソーも協力する形で2001年に商品化が実現しました。
家庭で消費するエネルギーの約1/3を占める「給湯」分野において、大幅なエネルギー消費の抑制を可能にするエコキュートですが、2015年には累積出荷台数が500万台を突破しました(図1)。このエコキュートにおいて、大和ハウス工業とファミリーネット・ジャパンは、IoT技術を用い、遠隔操作にてマンション各戸のエコキュートを最適制御するサービスを共同開発します。

図1 「エコキュート」の累計出荷台数 出典:ヒートポンプ・蓄熱センター
今回のサービスは高圧一括受電サービスを導入するマンションを対象にしたものであり、マンション全体の電力負荷の平準化を実現します。生活リズムが類似する居住世帯をグルーピングし、グループごとのエコキュートの稼働時間が分散されるよう制御するものとなります(図2)。
エコキュートは前述の通り、世帯ごとで見ると省エネルギー性能や省コスト性を持ち合わせています。しかしマンション全体として考えると、電気料金の安い夜間に多くの世帯のエコキュートが稼働するため、深夜の特定時間における電力使用量が増大するという問題が発生しています。そこで両社は、IoT技術を用いて、マンション各戸のエコキュートを遠隔操作にて最適に制御することで、マンション全体の電力負荷を平準化することを目指します。

図2 電力負荷の平準化イメージ 出典:ファミリーネット・ジャパン
各戸の電力利用量をMEMSで集約
今回のサービスでは、各戸の「MEMS」とエコキュートが「ECHONET Lite(エコーネット ライト)」により接続され、エコキュートの稼働データは「MEMS」に集約されます。その「MEMS」に集約されたデータは、ファミリーネット・ジャパンが所有するサーバーに30分単位で蓄積され、生活リズム毎に居住世帯がいくつかのグループに分類されます(図3)。
各グループのエコキュートの稼働時間は分散されるように制御されるので、特定の時間に電力利用が集中することもなく、マンション全体の電力負荷が平準化されます。なお、このサービスによる削減コストは、マンションでのイベント開催や防災グッズの更新費用などに充当することで、入居者へ還元されます。

図3 サービス全体の概念図 出典:ファミリーネット・ジャパン
農業でも活躍するヒートポンプ技術
エコキュートの要でもあるヒートポンプ技術ですが、様々な分野での活用が広がっており、その一つに農業があります。例えば、5月25日に東北電力はヒートポンプの冷房・除湿機能を活用し、ハウス栽培のトマト収穫量を夏に4割ほど向上させたと発表しました(図4)。加えて、東北電力によると収穫したトマトの大きさや形、色付きなど品質面の向上も確認できたとしています。
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執筆者情報

一般社団法人エネルギー情報センター
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