価格と需要から見るガスと電力、料金構造と事業者の側面から見たコスト構造(7)
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2017年03月28日
一般社団法人エネルギー情報センター

前回から引き続き、「電力とガスの違いについて~それぞれの特徴から考察する~」といったテーマにて連載コラムを掲載いたします。第7回目となる今回は、ガスと電力における料金構造と、事業者の側面から見たコスト構造について見ていきたいと思います。
電気の料金構造
私たちが普段使っている電気・ガス料金は、どのような費用で構成されているのでしょうか。本コラムではそんな料金構造の内訳について探ってみたいと思います。
電気料金は、【基本料金】+【電力量料金(燃料費調整単価を含む)】+【再生可能エネルギー発電促進賦課金】で成り立っています(図1)。それぞれの項目について、その内容を下記にて見ていきます。

図1 月々の電気料金の内訳 出典:資源エネルギー庁
まず、「基本料金」は、電気の使用量に関わらず支払わなければならないものです。一般的に、基本料金が上がるとブレーカーの許容アンペア値が増えますので、一度にたくさんの家電を使えるようになります。
次に「電力量料金」ですが、これは電気の使用量に応じて支払う部分です。一般的にたくさん電気を使うほど、電力量料金も高くなっていきます。この内の「電力量料金単価」は、自由化された今は基本的に電力会社が決めた価格となります。また、「燃料費調整単価」は、原油、LNG(液化天然ガス)および石炭の燃料価格(実績)の変動に応じて、毎月自動的に電気料金を調整するものです。電気は、原油などを元に作られる二次エネルギーですので、原料となる原油価格を電気料金に反映するような仕組みです。
最後に「再生可能エネルギー発電促進賦課金」ですが、再エネ電気を電力会社が買い取る費用に充てられるものとなります。概ね、固定価格買い取り制度によって電力の買取りに要した費用となります。
電力会社の側面から見たコスト構造
次に、電力会社側から見たコスト構造について見ていきます。まず、法令等により算定される託送料金や法人税・消費税・固定資産税等、そして再生可能エネルギー促進賦課金については、電力会社の努力で削減が難しいです。
一方で、自社電源を運転するための燃料費や減価償却費等、そして他社からの電力購入費、その他の人件費や経費といった部分は、電力会社の努力により削減することが可能です(図2)。それは例えば、高効率な発電所にすることで燃料費を抑えるほか、無駄の少ない電力購入のノウハウを身に着けることなどです。

図2 電気料金に占める費用内訳 出典:資源エネルギー庁
ちなみに、10電力会社によるコスト構造の場合ですと、設備投資に伴う減価償却費、設備資金を賄う借入金等の支払利息などの資本費や、定期保安工事等に伴う修繕費の割合が高い傾向にあります。人件費については、2015年度の時点では7%程度の割合でした。また、東日本大震災以降は、原子力発電所の停止による影響から、燃料費の割合が大きく増加しています(図3)。

図3 費用構成比の推移(10 電力計) 出典:電気事業連合会
都市ガスの料金構造
電力の次は、都市ガスについて見ていきます。都市ガスの料金は、【基本料金】+【従量料金(原料費調整による調整額を考慮)】により構成されております。
基本料金は、都市ガスの契約をしている限り、毎月払うものです。一般的に、使用量に応じて段階的に高くなり、トータルのガス消費量が少なければ安く、多ければ高くなるように設定されています。
従量料金も電力と同様、ガスの使用量に応じて支払う部分となります。たくさんガスを使うほど、ガス料金も高くなっていきます。この内の「原料費調整による調整額」は、LNGやLPGといった原料費の変動に応じてガス料金を調整する制度です。求められる役割としては、電気の燃料費調整単価と大変似通っている性質であるといえます。
ガス会社の側面から見たコスト構造
次は、ガス料金を形作る都市ガス会社のコスト構造について見ていきます。需要家件数別で事業者の費用構成をみた場合、需要家件数が多くなればなるほど、原単位(円/m3)は下がる傾向にあります。
下記図は2010年度と少し古いデータですが、需要家の最も少ないカテゴリー1においては立方メートルあたり180円ですが、需要家の多いカテゴリー5では半分以下の80円です(図4)。この費用格差の大部分は原料費以外の労務費・委託作業費等です。原料費についても、需要家の多いガス会社の方が安価になっておりますが、インパクトとしてはその他の部分の方が大きいです。つまり、需要家を多く抱えるガス事業者ほど、原料費以外の部分を中心に、コスト削減できている傾向にあることが分かります。

図4 需要家件数別費用構成 出典:資源エネルギー庁
LPガスの料金構造
最後にLPガスですが、LPガスは電力や都市ガスのように料金形態が1種類ではなく、事業者によって多種多様です。ただ、価格設定を公表していない企業も多いため、全国LPガス協会は、料金の透明化を図る観点から、平成 27 年に自主的ガイドラインである「LPガス販売指針」を改定しました。その中で、LPガス販売事業者に標準的な料金をホームページ等で公表することを求めています。
このLPガスの料金透明性について、「液化石油ガス流通ワーキンググループ」の報告書を参照してみます。この報告書は、LPガスの標準的な小売価格のホームページへの公表状況を調べるものです。対象は、主要なLPガス販売事業者(50社)における自社及びその子会社(議決権の過半数を有する子会社)となり、合計で169社となります。
報告書によると、2016年2月時点において料金情報を公表しているのは169社中、2社でした。割合としては1%程度となります。多くの事業者は料金情報を公表していない結果となりましたが、しかし同報告書内では、概ね半数の事業者が「半年以内に公表を行う予定である」としています。
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