世界初、楽天ドローンによる長距離の荷物配送に成功、南相馬市が連携協力
| 政策/動向 | 再エネ | IT | モビリティ | 技術/サービス | 金融 |
2017年02月22日
一般社団法人エネルギー情報センター

2月16日、南相馬市は「ドローンなどを活用した物流システムの構築」などが盛り込まれた連携協定を楽天と締結したと発表しました。締結式では、楽天が取り組んでいるドローンを活用した配送サービス「そら楽」のデモンストレーションが行われました。
ドローン活用で楽天と南相馬市が連携
近年ドローン活用への期待は高まってきており、2015年11月に開催された「未来投資に向けた官民対話」では、安倍総理が「早ければ3年以内に、ドローンを使った荷物配送を可能とすることを目指す」旨を述べています。また、シード・プランニングの調査によると、国内の市場規模は2015年の16億円から、2020年には186億円、2022年には406億円へと急増する見込みです。用途としては、2015年には農薬散布用途が約70%を占めますが、今後は整備・点検、測量等の市場が大きく拡大すると予測されています。
このようにドローンへの期待が高まる中、南相馬市はドローン活用を盛り込んだ「南相馬市と楽天株式会社との連携協力に関する協定」を楽天と締結しました。締結式が市民情報交流センターで行われ、楽天が取り組んでいるドローンを活用した一般消費者向けの配送サービス「そら楽」のデモンストレーションが行われました。連携協力はドローン活用に加え、地域活性化等に資する8つの事項が盛り込まれています。
連携を行う事項
- ドローンなどを活用した物流システムの構築に関すること
- ふるさと納税の推進に関すること
- 市内の事業者のIT利活用の促進に関すること
- 南相馬市産品の販路拡大に関すること
- 観光客の誘客促進に関すること
- 学校と連携した人材育成に関すること
- ITを活用した情報発信に関すること
- 地域社会の活性化と住民サービスの向上に関すること
南相馬市の海岸において、世界初となるドローンでの長距離荷物配送の飛行実証試験
南相馬市と楽天が連携協力した経緯としては、1月12日に経済産業省とNEDO、福島県、南相馬市、自律制御システム研究所が実施した、完全自律制御による回転翼ドローンでの長距離荷物配送の飛行実証試験です。この実証実験は世界初となるもので、NEDOプロジェクトの一環として、自律制御システム研究所が主体となって行いました。
飛行実証試験の場所は、福島県南相馬市の海岸が利用されました。この地域を利用することで、福島県や南相馬市がロボットやドローンの実証場所を提供する「福島浜通りロボット実証区域」制度を活用する形となっています。
ドローンは、楽天の配送サービス「そら楽」の専用機「天空」をベースとした「ACSL-PF1」です。福島県南相馬市の海岸線約12kmの区間を飛行し、完全自律制御による長距離荷物配送を行いました。飛行試験では、配送先がサーフィンのメッカである福島県南相馬市の北泉海水浴場に設定され、ドローンが現地のサーファーに温かい飲物を届けました(図1)。

図1 サーファーに暖かい飲み物を手渡す様子 出典:経済産業省
楽天の「そら楽」、2016年の5月から開始、第一弾はゴルフ場
楽天は2016年5月9日から、ドローンを活用した一般消費者向けの配送サービス「そら楽(そららく)」を開始しています。「そら楽」の第一弾として、千葉県御宿町のキャメルゴルフリゾートにて、ドローンがコース内の受取所まで商品を届けるサービスを提供していました(実施期間:2016年5月9日~2016年6月10日)。
利用者側のアプリでは、注文可能な総量を注文画面で確認できるほか、ドローンの飛行開始時などでプッシュ通知を受け取ることができます。 ドローンは注文を受け取ると、自律飛行で受取所まで飛行し、着陸してから荷物を自動投下した後、離陸ポイントに自動で戻ってきます。
使用するドローンは、2016年3月に楽天が出資した「自律制御システム研究所」が開発した機体「天空」です(図2)。楽天と自律制御システム研究所が共同で改良・開発をしており、前述した「完全自律制御による回転翼ドローンでの長距離荷物配送の飛行実証試験」のベースとなったものでもあります。

図2 ドローン機体のCGイメージ 出典:楽天
楽天、電力小売市場にも参入
2月21日、楽天は経済産業省・資源エネルギー庁による小売電気事業者への登録を受け、電力小売事業に本格参入すると発表しました。小売電気事業者として登録されたことで、「楽天市場」に出店する事業者や、「楽天トラベル」に加盟する宿泊施設を含む、高圧・特別高圧の電力の顧客に、さらに低価格な電力サービスを提供することが可能になる、としています。例えば、楽天グループの各種サービスと取引のある高圧・特別高圧電力を利用している需要家向けに、年間電気利用料金から15%割引するキャンペーンを実施しています(実施期間:2017年2月21日(火)17:00~2017年6月1日(木)9:59)。
この続きを読むには会員登録(無料)が必要です。
無料会員になると閲覧することができる情報はこちらです
執筆者情報

一般社団法人エネルギー情報センター
EICは、①エネルギーに関する正しい情報を客観的にわかりやすく広くつたえること②ICTとエネルギーを融合させた新たなビジネスを創造すること、に関わる活動を通じて、安定したエネルギーの供給の一助になることを目的として設立された新電力ネットの運営団体。
| 企業・団体名 | 一般社団法人エネルギー情報センター |
|---|---|
| 所在地 | 東京都新宿区新宿2丁目9−22 多摩川新宿ビル3F |
| 電話番号 | 03-6411-0859 |
| 会社HP | http://eic-jp.org/ |
| サービス・メディア等 | https://www.facebook.com/eicjp
https://twitter.com/EICNET |
関連する記事はこちら
一般社団法人エネルギー情報センター
2021年11月05日
活性化する商用車の電動化!物流を変える商用EV市場の最新動向。
欧州連合(EU)が2035年にガソリン車の販売を事実上禁止する方針を打ち出すなど、世界各国によるEVシフトの動きは加速の一途をたどっています。欧米メーカーだけでなく、中国勢もコスト力で存在感を見せています。ASEANやインドなどの新興国市場でもEVで先手を取ろうと各国のメーカーが積極的な動きを示しています。今回は、国内市場で動きが活発化している商用車の電動(EV・FCV)化について最新動向をみていきます。
一般社団法人エネルギー情報センター
2021年03月15日
循環型社会、脱炭素社会を目指す時代の流れとともに、近年、ガソリン車に比べて、参入障壁が低いことから、世界の名だたるIT・ハイテク企業がEVシフトを本格化させようとしています。こうした企業はEVと親和性の高い自動運転の分野で自社の技術を活かすことができます。“新しいモビリティ”としてスマホからEVへのシフトチェンジが起きており、EV市場の覇権争いが激化しています。今回は、世界の動向から日本の異業種参入の事例、そして日本のEV化の課題について考えていきたいと思います。
一般社団法人エネルギー情報センター
2021年01月31日
2020年9⽉22⽇、米テスラ社が開いた株主総会に伴うイベントで、CEOであるイーロン・マスク氏は、「家庭⽤エアコン事業を来年始めるかもしれない。「より静かで効率が⾼く、省エネ性に優れたエアコンを作れると思う」と発言したことが注目されました。HEMSの未来を創るテスラ社がエアコン事業へ参入した背景について考えます。
一般社団法人エネルギー情報センター
2021年01月13日
アップル社、2024年に電気自動車(EV)の生産開始を目指す
2020年12月、ロイター通信は米アップルが2024年の電気自動車(EV)の生産開始を目指し、車載電池技術の開発を進めていると報じました。実現すれば、既存の自動車大手にとっては脅威的な存在となるかもしれません。
一般社団法人エネルギー情報センター
2020年04月07日
電気自動車による気候変動対策、世界の約95%のエリアで効果的、ケンブリッジ大学など発表
エクセター、ナイメーヘン、ケンブリッジ大学は3月、電気自動車への移行により世界の95%のエリアで脱炭素化が実現するとの最新の研究結果を発表しました。研究では発電方法の違いを考慮して、世界を59の地域に分割した上で詳細なシミュレーションが行われました。



















