電力自由化によって広がりを見せる新電力、ファン・コミュニティの魅力で訴求する仕組み
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2016年10月15日
一般社団法人エネルギー情報センター

電力自由化に伴い、既存コンテンツのブランド力や地域の魅力にフォーカスしたプランが徐々に増えてきています。今回のコラムでは、そういった電力以外のブランドにおけるファンの購買力や、地域の持つ魅力を新電力事業に取り込む際の基本について概観していきます。
独自のファンを持つコンテンツの魅力を活用した新電力の仕組み
電力の自由化により、電力プランは爆発的に増加し多様性も生まれました。しかし、いくら魅力的なプランがあっても、電力に全く関心がない層には、その価値が響きづらいです。そうした層に電力販売を切り込むために、電力とは全く別のジャンルからファンを取り込むようなプランが生まれてきています。別のジャンルとは、例えばスポーツやアニメといったものであり、既に一定のファンや顧客を持つコンテンツとなります。
スポーツやアニメといったジャンルは、既にセグメントされたターゲット層を持っており、購買力も期待できるため、企業にとって非常にわかりやすい魅力的なコンテンツとなっています。そうした、既存のブランド力を橋渡しとして電力プランの販売力を強化するような多様性が生まれることも、電力自由化の魅力の一つです。
電力会社がスポーツなどのブランド力を取り入れる場合は、既に電力会社がブランド力を持つコンテンツを持っている場合を除き、他社との提携で事業展開します。そうすると、2社以上が資金を出して広告宣伝活動などを行えるので、一社当たりの負担は少なくなります。あるいは、1社だけでは実現しえない規模の広告などを製作することも可能となります。
企業同士のコラボは、ブランド力の強化にも繋がります。特に、認知度の高い企業同士のコラボでは効果が高いです。話題になりメディアなどでも取り上げられるので、お互いの企業の顧客がそれぞれの企業のブランドに注目することも期待できます。
新規顧客の獲得や、新境地の開拓といったことも見込めます。これまでのやり方では訴求できなかったセグメントに魅力を伝えられるようになります。また、ブランドイメージがある程度固まっている企業でこのようなことを試みると、人々はその意外性に注目します。
しかしいざコラボレーションするとなると、ブランドの持つ世界観、ファンの特徴、権利者のスタンスによって、重視すべきポイントはバラバラです。また、熱心なファンはたしかに購買力を持っていますが、その分クオリティには厳しい目を持っており、下手をすれば逆に反発を浴びさえします。普段目にする大ヒットしているコラボ商品の裏には、「とりあえずコラボ」の無数の失敗があるのです。異業種同士が協力し合うときには、両社の方向性などが一致するかを事前によく考えなくてはならないです。そして、「異業種同士がタッグを組んだ」という話題性だけでなく、顧客にとって価値のある新たなサービスを生み出せるかを、入念に検討する必要があります。
世の中には、非常に多くのコンテンツが溢れています。そうした中で、自社の電力商品と相性の良いコラボ先は、慎重に見極める必要があります。仮に電力商品との親和性が低いコンテンツと提携してしまった場合は、自社とコラボ先のお互いにとって不利益となるような結果になることも考えられます。
また、コラボ先の相手に流されすぎず、自社の目標とする道を常に意識することも大事です。協力関係を築いて一蓮托生としてやっていく訳ですから、コラボ先の意見を尊重しつつも、自社の利益も大事にするようなビジネスの目が必要です。
また、コラボスタート時は社会的なインパクトが大きいですが、それにいつまでも頼っていては持続的な経営は難しいです。顧客にとってメリットのあるサービスを提供できているかは、常に意識する必要があります。
地域の魅力を引き出す新電力の仕組み
電力とは別のジャンルから顧客を取り込むという観点では、地域(コミュニティ)の力を利用する形も非常に有効です。例えば、電力プランの調達先が地域内の発電所である場合は、地域内に雇用を生み、経済を地域内で循環させることができます。発電所の運営にも人手がいりますので、その運営にも雇用が生まれますし、本来地域外の電力会社に流出する資金(電気料金)に関しても、地域の電力会社が受け取ります。そうすると、地方の活性化といった効果が期待できます。
電力の販売で得た利益を地域に還元することにより、地域活性化を目指すような仕組みも考えられます(図1)。こうすることにより、自分の住む地域に愛着のある層は、地域の活性化を期待して電力プランに加入してくれる可能性が高まります。

図1 地域新電力の概要 出典:環境省
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